(とらふぐ)
日本で食用になるふぐ約20種のうち、最も美味なのがトラフグとされている。
身は脂質が少なく上品な甘みを持つ。刺身は薄作りが定番であるが、これは身が締まっているためで、切り身が厚いと噛みにくく味を損なうためである。
また、塩焼き、唐揚げ、定番の「ちり」でも美味しく食べられる。
とりわけ珍重される白子は、クリームのような滑らかな風味に旨味と上品な甘味があり、唐揚げ、塩焼き、ポン酢いずれも絶品である。卵巣や肝臓には猛毒があり取り扱いや調理法が規制されている。
(しろさばふぐ)
トラフグには及ばないものの、身は十分な弾力があり庶民のフグとして親しまれている。
身はやや水分が多いため、ペーパータオルなどにくるみ暫く寝かせて脱水した後に刺身にするとよい。唐揚げや鍋もの、天ぷらにしても美味しく、一夜干しは酒肴にお奨めである。
近縁種に毒を持つドクサバフグがいるが、背中のとげと尾びれで本種と区別できる。
毎年12月の第1日曜日に開かれる「牛深あかね市」で、天草漁協牛深総合支所漁業青壮年部が販売する唐揚げやフライは、人気商品となっている。